The Beginning of 5loaves

5loaves

5loavesの設立

5loaves は2017年にできた新しい法人です。
元々この 5loaves ができるきっかけとなったのが、
私の息子がきっかけで始まりました。

僕が23歳の頃に長男が生まれるんです。
「聖薫」ていう名前なんですけれども、「聖薫」ていう息子が実は寝たきりで障がいを持っています。

コミュニケーションはやっぱり取ることができなくて、
やっぱりお話しすることもできないし、自分で座ることもできない。

そんな息子なんですけど、そんな息子を通して僕自身がすごく考えさせられました。
この息子がどうやったらこの地域の中で幸せに生きていけるんだろうか。

そしてまた、この子が幸せに生きていける場所を、
「居場所作り」をしたいなっていう風に僕自身が感じて。

そしてまたそれを妻と共有しながら、「いつか障がい福祉ができるといいな」という夢を、23歳の頃に持ちました。

まだ全然形になってない中で、どうにかできないかなっていう風に真剣に考え始めたのが26歳の頃で。

その当時の僕たち家族っていうのはもうお金も無いし、知恵も無いし、力も無いしって、無い無い無いだったんですけど。

どうにかこの子たちのために、また障がいを持った自分の息子だけじゃなくて、
そういう子供たちのために、また家族支えてる家族のために何かできないかなという風に思って、
真剣に夢を皆の前で語るようになりました。

まず1番最初に考えたのがグループホームっていう障がいを持たれた方が住む場所を作りたいという風に思って。
それを僕の家族とまた妻の家族に「こういうのやりたいんだけど」って相談していった時に、皆が応援をしてくれて。

そこから26歳から3年間ですね、3年間の間にお金も集まって、協力してくれる人も集まって、じゃあグループホームとかをどうやったら作れるのかっていうそういう知恵を貸してくれる人たちも集まって、29歳の頃、2017年に NPO法人 5loaves が出来上がってきました。

この 5loaves っていう名前は「5つのパンと2匹の魚」っていう聖書の中に出てくるお話から取った名前です。

私たち自身は本当に何もない中で、自分が持ってるものをどうやって、この社会の中で、地域の中でやっていけばいいんだろうなって思った時に、僕自身クリスチャンだったので地域の教会の牧師先生やクリスチャンの皆さんに祈ってももらいながら、協力してもらいながら 5loaves が始まるきっかけとなっていきました。

そして今も変わらず職員の方もクリスチャンの方も多いですし、そしてまた地域の中でも未だにあの応援してくれながら、支えてくれながらやってる方がいらっしゃるって、そんな形です。

一番最初グループホームからですね、伊那市の西春近っていうところにいつの「5つのパン西春近」っていうところができて、そこから今B型事業所だったりとかグループホームも増えて、カフェだったりカレー屋さんをやらしてもらってるっていう感じですね。

グループホーム閉所の危機

もう何もないところから皆さんが力を貸してくれて始まったんです。

お金も無い力も無い知恵も無いっていうところから始まってるんですけど、たくさんの人が力を貸してくれるようになって、そして知恵を貸してくれるようになって、お金の方も貸してもらえたり応援してくれることになったんですけど、いざ始めますって言ってグループホームを始めましょうっていう時に、中古物件買ったんですよね。

そのタイミングでちょうどグループホームの作るための法律が色々変わりまして、その時にもしかしたらグループホームができないかもしれないっていうことになりまして。

法律が変わったんですよ、要は一般住宅でグループホームができたものが寄宿舎だったりとかっていう一般住宅じゃできなくなったんですよね。

それを法律を変えるってなった時にその図面がなきゃいけないんですよね。
一般住宅を寄宿舎に帰れるように図面を出して建築確認を取らなきゃいけないっていう風になりまして。

もうその時にかけてたお金が1,200万円近くをお家(グループホーム)に掛けてたので…、参ったと(笑)
これはもう作れないぞってなりまして、もうそこからあれですね1週間眠れない夜ですね。
1週間眠れない夜を過ごしてく中で、まだそれを自分1人で抱えてて相談できなかったんですよ。

「どうしたもんか」と思って英志さん(前代表)に相談したら。

英志さんが、「聖太、頑張ってダメだったらもうしょうがないよ」って、言ってくれて。
それで、「ああそうかって、そうだな」って。

じゃあ最後まで全力で頑張ってみようっていうことで、自分1人で抱えて込んでたのを英志さんのアドバイスがあって、うちの妻のつばささんのお父さんに相談したんです。

つばささんのお父さんは建築士なので、それは参ったなということで。
早速動いてくれて。
無い図面を全部一から引いてくれて、それで合同庁舎のところに行って、建築確認の人と一緒に打ち合わせをしてくれて、それでどうにか「通るぞ」っていうことになって。
胸を撫で下ろしたっていう、あれが一番最初の苦労かなと思います。

地域の励ましに救っていただいた

苦労の話ってもう一つ思い出したので話してもいいですか。

グループホームが2017年の10月1日に開所したんですよ。
そしたらもう早速2週間で潰れそうになりまして。

何があったかと言うと、5loaves ってこの地域の受け皿になりたいと思ってやってるんですよ。

なのでうちのグループホームに入ってこられる方は、それなりにいろんな経歴をお持ちの方が多いんですけど、10月4日に入ってこられた利用者さんがいるんです。
その方は僕のことをすごく大好きになってくれて。聖太さんのところだったら僕一生暮らしたいですよと、言ってくれて。

「あぁそうか嬉しいよ」と。

じゃ一緒に暮らそうっていうことでグループホームに受けれたんですよね。
そしたらなんとびっくりその方ちょっと転換発作があって、自分の意識がないところで動いちゃうっていうことがあるんですよね。

まだ入居したばかりなので雨の日に朝散歩に出て行ったら帰る家が分からなくなってしまって、そこでちょうどあの天気も悪かったので発作も出てしまって。
家が分からなくなったら、ご近所さんの家を全部片っ端から勝手に入っていくっていう事件を起こしまして(笑)

それで、「うわ大変なことになってしまった」っていうことで、早速うちの妻も来てくれて、2人で頭を下げて、「すみませんでした、すみませんでした」って謝って。

そしたら皆さんが「いや、こういう働きは本当に尊いよ」って「こういうことが私たちはできない、あなたたちがこういうことをやってくれるから、この地域は良くなるなるんだよ」って励ましの言葉もいだきながら、どうにかそれでグループホームもセーフになったと。

もしあの時ね、本当にこんなことされたら困るっていう人がいたら、もうそれでダメになってただろうなと思いますので、本当に地域の皆さんに感謝しながら今も守られているなあという風に思っております。

でもねそれも一つ一つも全部いい思い出にできるぐらい、皆さんと楽しく過ごせてるかなって思ってます。

5loaves という居場所

自分一人だったら見られなかった世界を見てるような感じ。

また自分一人だったら作れなかった世界が自分の周りに今ある感じがしてて。
「ああ幸せだな」って「感謝だな」って思います「ありがたいな」って思いますね。

本当うち 5loaves は職員・利用者さん含めた人が宝だなって思っていて。
素晴らしい人ばっかりです。能力的に高いとかそういうことではなくって。
優秀とかそういうことではなくって、本当に皆がどうやったらこの人たちのためになるんだろうとか。
どうやったら自分自身もそうだし、この場所が本当に皆で幸せになれるんだろうっていうこと考えてる場所で。

だからこそすったもんだいっぱいあるんですけど、本当にトラブルになることもあるし、全然意見合わなくて喧嘩になっちゃう時もあったりもするんですけど。

でもそれがなんでかって言うと、根本的にはやっぱ 5loaves のことを皆が好きでいてくれて。
もっと良くなって欲しいからっていう想いがあってやってくれてることなので、全部感謝しながら一つ一つ形になってってるのかなって思いますね。

だからグループホームもそうだし、今「あのころのきみ」を作ってるB型事業所もそうだし、カレー屋さんの「アンシャンテ」もそうだし、この「ファーストマウンテン」もそうですけど、全部利用者さんたちの願いと想いから始まってるところなので、本当にこんなに意見を言ってくれる利用者さんがいる場所もそんなにないだろうし、そしてそれを本気で形にしていこうとしてくれるスタッフの皆さんも特別だなっってすごいなって思っています。

うちはね、元々ある事業にその人にやってもらう場合もあれば、その人が出会った人がとても素敵ならその人ができる仕事を作ったりもするので、そういうところがうちの強みなのかなと思う。
5loaves は特にだけど、皆の夢を叶える場所なのかなって思う。

利用者さんの夢も職員の夢もね、形にしてくと面白いよね。

これがね、もっとなんか地域にもそうだし、日本中の人に皆に知ってもらえたらなと思うし。
何よりもやっぱり、僕たちベースが福祉なので。
「声なき声」っていうのがいっぱいあるんですよね。
福祉をやってるからこそできることもあるはずだし、そして福祉だけじゃなくてできるところも私たち持ってると思ってるので、もしご飯を食べれない子供たちがいるんだったら、その子たちのためにご飯食べさせてあげたいし。

でもその子供の後ろにはやっぱり悩んでるお父さんお母さんがいるのも本当なので、その人たちのためにも何かでないかなって思うし。

そのお父さんお母さんを支えてる地域もあって、その地域の人たちのために何ができるのかなっていうのも、考えなきゃいけないと思うし、良い意味で綺麗事をはっきりと言えるのが 5loaves だと思うし、それをやっていけるのが 5loaves だと思うので、土臭く汗臭く、皆でね、やっていけたらいいなって思ってるね。

幸せと言葉に出せる場所

その一番最初にグループホーム作った時に、やっぱり古い建物なので、申し訳ないなって気持ちが無いわけじゃなかったんですよ。

でもそういうものが、僕の今現在自分ができることの精一杯だったんですけど、そこに3人目に入ってくださった利用者さん、女性の方がいるんですよ。
11月1日に入ってくださったんだけど、その方が住んでる中でいつもニコニコしながら「聖太さん、私幸せ」って話してくれるんですよね。
その方は元々シングルマザーになって20年間子どもを育てるのに一生懸命で、でもそれやったらちょっと燃え尽きてしまって。もう引きこもり状態になってしまったんですけど。

出会うきっかけがあって、是非うちのグループホーム入らない?ってお話をしたら、是非入りたいってことで入ってくれたんですよね。
入ってる中で「幸せ幸せ」っていつも話してくれるし、でもどうなのってあの結構いろんなキャラクターのある人男性も居るので、いろんなこと起きるけどって言ったら、いやいや私はそれが本当に楽しいよって、言ってくれるんですよね。
すごいなと思いながら話聞いてて、僕は1回ちょっと踏み込んで。
「でも部屋も小さいし、部屋も古いし」「大丈夫?そういう部屋でごめんね」って女性なのにもっと綺麗な部屋用意できたらいいんだけど」ってお話をしたら、その方が「いや、聖太さん、そんなことないの」って「綺麗汚いよりも大切なものってあるんですよ」って、私にとってこのグループホームが、そしてまたこの6畳1間が、私にとっては天国なんです」って言ってくれたんですよね。その時すごく嬉しくて。

自分にできる精一杯がこれだけれども、それ以上に幸せを感じくれる場所になってるんだって思った時に、すごく嬉しかったなって思い、覚えてます。

結構 5loaves って幸せとか愛とかっていうのをよく利用者の皆さんが言うんだけど。

障がいや病気を抱えてる故にいろんなことを経験してるんですよね。
いろんなことを経験してる中で 5loaves に来て幸せを感じてくれてることが嬉しいなあと思っていて。

18歳の女の子がうちのグループホームに入ってきたんですけど、その子は入ってきて一番最初に話してくれたことが、「今までお父さんのことが嫌いでした」って言うんですよね。
「でも今はお父さんのことを大切にしたいと思います」ってそれはなんでかって言うと、「今私が住んでるグループホームで」「皆が私のことを大切にしてくれて」「困ってたら助けてくれて」「愛してくれるんだよね」って「だから私はこれだけ助けてもらって」「愛をもらってるからこそお父さんのことを助けたいなって思うし、愛したいと思えるようになりました」って「それが私にとって本当に幸せなことです」ってお話してくれたことがあって、それもすごく嬉しかったですね。

なんか本当些細なことなんですけど、もしかしたら僕自身も聞き逃してしまいそうな言葉だったりするんだけど、皆が一生懸命ぶきっちょなりにお話を僕にしてくれて、そこでいろんな気持ちを伝えてくれるので、そういうのが一番楽しいし幸せだなって思いますね。